2016年9月20日火曜日

100億円?それとも100億円以上?

旧富岡製糸場の保存整備費用

いま、旧富岡製糸場では、いろいろな工事が行われています。
こちらの工事費(請負金額)は、4億87百万円。
そして、これから行われる工事もあります。
2016.9.11(日)の読売新聞群馬版には、こんな記事も。
西繭倉庫の「鉄骨箱」の工事の総事業費は、約33億6千万円。
そこで、思い出すのは、こんな数字・金額です。

それは、富岡市議会における一般質問でのやり取り、そこでの金額

 100億なのか
 100億円以上なのか

です。
※ 富岡市議会のHPから引用させていただきましたが、
このブログへの掲載に際して、
改行、文字の強調などは、本多が行いました。

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平成26年 12月 定例会    1211日-一般質問-02

 ◆18番(茂原正秀君)
 県内12市中、下から3番目という非常に低い財政力指数を何とか改善するために、今後全力で取り組むという強い姿勢は十分に理解できました。
 また、国の交付税制度について、私と同様当局も懸念を持たれているということも承知いたしました。
 大変難しい課題ではありますが、国の財政のほうも世界中から懸念されるようになってきましたので、ぜひとも富岡市は健全財政を目指す方向で進んでほしいと思います。
 それでは、財政状況についての当局の今後の姿勢はある程度理解できましたので、これから大きな予算を投入する必要がある複数の事業について伺いたいと思います。
 まずは、富岡製糸場についてですが、
 富岡製糸場の保存管理には
  30年で100億円かかり、
  富岡市の負担は4分の1の25億円
 という話が広く知られていますが、これはどのような根拠から出された金額なのでしょうか。

◎世界遺産まちづくり部長(上原茂文君)
 富岡製糸場の整備活用を定めた旧富岡製糸場整備活用計画を策定する際に組織しました整備活用委員会専門委員会のときに、
  100億円以上の事業費になるのではないかとの発言があったものでございます
 また、市の負担につきましては、文化財の保存管理に対しまして市が負担する一般的な割合から出た金額かと思われます。
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市議会議員が100億円と発言しているのに対して、答弁した市職員は100億円以上と述べています。
市議会議員と市役所職員の表現の差は、たいへん大きいものということができるでしょう。
執行部局である市長部局とすれば、100億円以上としておけば、200億円でも300億円でも500億円でも100億円以上となり、いわば数字上の制約を受けない金額-いくらでもよいということになります-を答弁したことになりますので、あとになって市議会から「こんなに予算をかけて、どういう了見だ!」と詰め寄られても「平成26年12月の定例会で答弁したとおり、100億円以上の金額です」と追及の手をかわすことができる、そんな布石といえる答弁といってよいからです。
また、市の負担につきましては、文化財の保存管理に対しまして市が負担する一般的な割合から出た金額かと思われます。」
といった答弁だけを読みますと、私には「こんな答弁は、議員に対して失礼だろう」と思えるのですがきっと委員会や全員協議会の場で、補助率や補助対象経費に対する国庫補助金の上限額などを詳細にきちんと議員に説明しておいたうえで、こういった市職員の答弁になったのではないかと・・・私は想像していますけれど。
そう考えなければ、あまりにも木で鼻をくくったような感じの市職員の答弁ですから。
2014.11.22(土)の上毛新聞の記事では、
 製糸場の保存整備は、30年計画で
    総額100億円以上と試算される。
と述べたうえで、東京五輪開催を見据え・・・と続けています。
また、この記事では、
 入場料収入を保存整備の財源に充て・・・
   来場者の満足度を高めるための整備を急ぐ。
とも述べています。
それにしても4億87百万円とか約33億6千万円といった金額を見るとき、ほんとうに富岡市の実質的な負担が1/4で、3/4が国と群馬県負担なのだろうかと、たいへん心配になりますし、今年度における来場者数の状況を見るとき、今後、保全整備の財源に充てられるほど見学料収入が得られるだろうか、ということもほんとうに心配になります。

先日のブログのタイトル

「およそ5億円の入場料収入があれば」
  「市の財政に負担をかけずに対応できる」
旧富岡製糸場の見学料金収入
は、

およそ5億円の入場料収入がないときは」
 「市の財政に負担をかけなければ対応できない」
旧富岡製糸場の見学料金収入

という意味に読み取ることもできます。

このブログ(↓)


「およそ5億円の入場料収入があれば」

「市の財政に負担をかけずに対応できる」
旧富岡製糸場の見学料金収入
http://geogunma.blogspot.jp/2016/09/blog-post_18.html

も読んでいただければ幸いです。


100億円以上
となって、
 「およそ5億円の入場料収入がないときは
  市の財政に負担をかけなければ対応できない」
となったときに、
 富岡市の財政で旧富岡製糸場を維持保存できるのかどうか、
  これが
       いちばん富岡市民が心配していること
ではないかと、いま、そんなことを思っているところです。

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