2017年6月25日日曜日

80万人・5億円:世界文化遺産 旧官営富岡製糸場

これから先、ずっと維持していけるのだろうか・・・

3年前の6月25日、富岡製糸場と絹産業遺産群として、旧官営富岡製糸場を含む4資産が世界文化遺産に登録されました。
世界文化遺産に登録された2014年度には、1,337千人の入場者があったのですが、2015年度には1,144千人になり、2016年度には800千人にまで減ってしまいました。
今年度の状況については、4月・5月の入場者数が発表されていますが、大幅にという表現をしてよいかと思うほど入場者数が減っています。
今年度の5月での入場者数は、71,820人になっていますが、2015年度の5月における入場者数141.925人の半分といった状況になっています。
なぜ、入場者数のことを申し上げているかといいますと、見学料金の収入がどのぐらいになるかによって、富岡市の財政全体に大きな影響があるからです。

つぎのブログをご覧ください。

およそ5億円の入場料収入があれば市の財政に負担をかけずに対応できる」
    旧富岡製糸場の見学料金収入
http://geogunma.blogspot.jp/2016/09/blog-post_18.html

800,230 世界文化遺産 旧富岡製糸場の入場者数(2016年度)
http://geogunma.blogspot.jp/2017/04/800230.html

26,8369,876 (上半期分) 世界文化遺産 旧富岡製糸場 見学料収入
http://geogunma.blogspot.jp/2017/05/268369876.html

富岡市としては、5億円(年間)の見学料収入があれば、その料金収入で旧富岡製糸場の維持費用が賄えると計算していて、そのためには800千人(年間)の入場者が必要ということになります。
 旧富岡製糸場の整備費用について、当初の見込み額より増えるということですが、この記事(↑)にあるとおり、
 自治体の財政状況が年々厳しくなる中、増大する費用をどう賄うかが課題になっている
といってよいでしょう。
つぎの記事にもあるとおり、
 間で約2億5千万円に上る。人口5万人弱の自治体には大きな金額
を富岡市が負担し続けられるのかどうか・・・。 
以前、つぎのブログ

その世界遺産 いりますか?-文藝春秋二月新春号
いま住民たちは困惑している
http://geogunma.blogspot.jp/2016/01/blog-post_10.html

で、文藝春秋に掲載されたルポを紹介しました。

お年寄りが多くなり、若い人が少なくなっていくなか、これからの自治体の財政は、ますます厳しいものになっていくと思われます。
富岡市においては、執行部局と市議会が知恵を出し合って、これからの時代における世界文化遺産の維持保全、そして市民の暮らし、福祉施策等の質を低下させないことに意を注いでいただきたいものだと思っています。

あまりにもむちゃくちゃでは? こんな答弁でいいのかな・・・(富岡市議会)
http://geogunma.blogspot.jp/2017/02/blog-post_5.html

来年、再来年と時間がたっていくなかで、

  「世界文化遺産に登録されて、
   市民はとんでもない目にあってしまったね」
   「困ったことになってしまったよね」

といった会話が富岡市民の間で交わされることがないようにしてほしいものです。

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