2017年10月24日火曜日

ヒカゲノカズラ-スバールバル諸島

「体感!グレートネイチャー」
NHK BSプレミアム 2017.10.21放送

私は、自然系の番組が好きで、「体感!グレートネイチャー」をよく見ます。
とくに化石などが登場する場面では、まさに画面に目が釘付け状態になります。
北極圏に熱低雨林!?ということで、研究者にスタッフが案内してもらって、化石産地に出向いたときの場面です。
2017.10.21に放送された「体感!グレートネイチャー」は、「圧巻!極北の大瀑布~ノルウェー スバールバル諸島~」という副題でしたので、化石が紹介されると思っていませんでした。
2015年11月に
 「ノルウェーの森」は“最古”だった? 約4億年前の化石を発見
といった記事を覚えている方も多いのではないでしょうか。
このブログで引用させていただいた記事(↑)の全文を紹介(↓)します。

北極圏に位置するノルウェー領のスヴァールバル諸島で、38000万年前の古代の森の化石が見つかったと英国の研究チームが発表した。

 英国立カーディフ大学のクリス・ベリー教授の研究チームは、バレンツ海にあるスヴァールバル諸島の岩場の崖で、「ヒカゲノカズラ」の木の化石を発掘した。

 ヒカゲノカズラは北半球の温帯から熱帯地域の高山に分布するシダ植物で、胞子で増える。日本でも沖縄以外の広い範囲にみられるが、針状の細い葉がブラシのように立ち上がる姿は、植物というよりは巨大なコケのように見える。

 研究チームが発掘したヒカゲノカズラの化石は、木の根元部分で、表面には特徴的な格子状の模様が刻まれている。詳しい調査の結果、化石が見つかったあたりは、周囲1キロ~5キロ程度のくぼ地であったことも明らかになった。

 研究チームは化石から胞子を採取することに成功し、年代を測定した結果、少なくとも38000万年前のデボン紀の木であることがわかった。

 この時代は、複数の陸地が衝突し合って、赤道直下に巨大な大陸を形成したと考えられている。このことから研究チームは、現代は北緯80度の北極圏に位置するスヴァールバル諸島も、かつては赤道直下にあったと結論付けた。

 そのうえでベリー教授は「ヒカゲノカズラなどのシダ植物がこの時代に爆発的に増えたことで、光合成によって地球上の二酸化炭素量が劇的に減少し、湿地帯や豊かな森が形成された」と説明し、今回発見した化石が“地上最古の森”である可能性を指摘した。

 この調査結果は「地質学ジャーナル」電子版に掲載された。

「体感!グレートネイチャー」で、ヒカゲノカズラの化石を見ることができ、
  4億年前 スバールバルの気候は熱帯だった
という説明を聞いて、化石好きな私はとても感動してしまいました。
いつもおもしろい「体感!グレートネイチャー」ですが、とくに今回は私が好きな化石が登場して、たいへんおもしろい内容でした。

以前、つぎのブログ(↓)

国際化石の日、制定:国際古生物学会
http://geogunma.blogspot.jp/2017/10/blog-post_13.html

で、化石探しの楽しさなどをお伝えしましたが、これからの寒くなる季節は、化石探しに最適だと私は思っています。
ところで、いまもヒカゲノカズラが見られること、ご存知でしょうか。
先日、某所で見つけたヒカゲノカズラです。
この植物のお仲間が4億年も前に生きていて、それが地球の環境を大きく変えたということ、今さらではありますがヒカゲノカズラの働きに感謝しているところです。

NHK BSプレミアムの「体感!グレートネイチャー」は、
ほんとうにおもしろい番組です。
どうぞ、ご覧ください。

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