いま、このタイミングで・・・?
いま、多くの富岡市民は、
富岡製糸場は、世界遺産に登録されるだろうか・・・
富岡製糸場は、世界遺産に登録されないのだろうか・・・
という心配とともに、かりに世界遺産に登録されとしても、
これから先、富岡製糸場を維持していくために、
どれほどの予算がかかるのだろうか・・・
富岡製糸場のために、
私たちの生活が圧迫されることはないのだろうか・・・
といった心配をしています。
私が、「いま、このタイミングで・・・?」と疑問に感じているのは、上毛新聞で報じられたとおり、
100億円以上かかるとされる製糸場の保存改修費について、
富岡製糸場を愛する会などの民間4団体が富岡市の負担を軽減しようと、
募金活動を展開すると発表したばかり
のあと、このような発表を行う富岡市の幹部職員のセンスを疑うからです。
そのうえ、富岡市は、この記事によれば、
新庁舎建設基金や合併特例事業債を充てる方針であり、
「製糸場の保存整備には影響がない」
と説明していますが、
この説明は、ごく普通の暮らしをしている人々の感覚と相容れない
と考えざるを得ません。
富岡市役所の庁舎です。まだまだ、だいじょうぶではないかと思うのですが・・・
この画像は、 http://tamagazou.machinami.net/tomiokashigaichi.htm から引用させていただきました。
なぜなら、
① 新庁舎建設の基金(基金については、運用益とか果実・・といったことばでの説明も必要ですが、ざっくりした言い方をすれば積立金のようなもので、一般家庭では、預貯金といったところでしょうか)があるから、ということですが、私たちの暮らしにおいては、新たな支出が見込まれるときは、予定しておいた支出を見合わせて、新たな支出に対応する、といった操作-これを、一般的に〝やりくり〟 といいます-をします。
富岡市の場合、富岡製糸場の維持・保存といった新たな財政支出-それも、富岡市の財政規模を考えるとき、莫大ともいえる予算が必要になります-が見込まれる事態に立ち至っている現在において、「基金があるから新庁舎を建設する」というのは、あまりにも硬直的な発想といってよいでしょう。
たしかに、会計としては基金の会計と一般会計は、別の会計となっていますが、それはあくまでも会計上のことだけであり、
「基金の特別会計も一般会計も富岡市民の予算(市民の財産)」
であることに変わりありません。
② 合併特例債については、いろいろな資料がネットでも見られますので、そうした資料(ほんの一例をつぎに掲げておきます)
をご覧いただくとして、地方債の仕組み等について、もっと詳しく市民に知らしめる必要があるのではないでしょうか。
よく、特例債を〝打ち出の小槌〟のように思っている方がいるのですが・・・はたして、そういうものなのかどうか。
と考えるからです。
いま、多くの富岡市民は、
インフラ(橋や道路、埋設されているガス管や水道管など)の老朽化をはじめ、加速する高齢社会と少子社会への対応などで、
これから先は、いまより多額な予算が必要となるだろう、
その財源は、どのように確保するのだろうか・・・、
といったことを心配しているのではないでしょうか。
そのうえで、
富岡製糸場を維持・保存するために、なんとかがんばろうじゃないか、
と多くの方々が動き始めようとしているとき、
いま、このタイミングで、
新庁舎の建設を進めることが
適切な判断なのだろうか・・・
と私は考えるのです。
このようなことを述べますと、
富岡製糸場の維持・保存と新庁舎の建設は、次元が違うこと。これを、同次元で論じることは、おかしい。
との反論があるかもしれませんが、
もし、あなたの家の前の道路で、地下に埋設されている水道管が破裂(老朽が原因)し、
道路が陥没し、まわり中が水浸しになっているとき、
富岡市の水道担当者: 申し訳ないですね、今年度は復旧工事の予算が水道会計になくて・・・
ということで、今年度は、復旧工事ができません、あしからず。
といった対応をされたとしたら・・・
この対応に、あなたは納得できるでしょうか。
国や都道府県・市町村では、一般会計のほか、さまざまな特別会計がありますが、どれもこれももとをただせば、国民の財産であり、住民(群馬県であれば、群馬県民。富岡市であれば、富岡市民)の財産なのです。
先述の水道管破裂の復旧工事費については、かりに水道会計が対応できないという事態になれば、一般会計で対応(水道会計に繰り入れなどの処置をするとか)せざるを得ない-つまり、なんとかやりくりをする-のです。
当たり前のことですが、
一般会計や特別会計のすべてが富岡市の予算(市民の財産)
であり、それをうまく運用して、富岡市民の暮らしを豊かなものにしていく、これが富岡市という行政の役割なのです。
将来の富岡市のことはもちろんのこと、いまの動き-製糸場のための募金活動開始-を考えるとき、あまりにも考えなしの新庁舎建設計画であり、その発表であった・・・ということになるのではないでしょうか。
富岡市が新庁舎を建設する、といったことは、以前から知っていましたが、このタイミングでの発表といった無神経さ、これから先の全体的な社会情勢をふまえるとき、
新庁舎の建設を進めないようにしていただきたい、
との思いを私は抱くようになりました。
富岡市民の皆さまは、
いかがお考えになりますか。
追 記 (2013.11.26)
私は、新庁舎の建設そのものに反対しているわけではありません。
いまの庁舎は古くなってきていますし、〇〇さんがおっしゃるとおり、耐震性の問題もあるかと思いますし、特例債の適用期限のことなど、いろいろなことがあっての新庁舎建設推進だと思っています。
しかしながら、いまの時点での建設推進は、あまりにもタイミングがよくないと考えられるのではないでしょうか。
富岡製糸場の維持・保存の費用に役立てるため、民間団体が募金活動を開始しようというとき、新庁舎の建設を進めるの?といった疑問を多くの人々が感じるのではないでしょうか。
たとえば、ご近所やご親戚で困っているお宅があるから、そのお宅を援助してあげようと相談していたところ、そのお宅が「家を建て替えるためのへそくりがあり、有利な融資も受けられるので、家を建て替えることにした」といっても援助をされるでしょうか。
私が申し上げたかったのは、ものごとにはタイミングというものがあるのでは?ということであり、新庁舎を建設することができるのであれば、それはそれで大いにけっこうなことだと思っています。
私も〇〇さんがおっしゃるように、この建物のかたち、配置には、まったく魅力を感じませんし、雨天などのときの庁舎間移動では、難儀をするのではないかと思います。
車いすを利用されている方や松葉づえなどの方は、傘を差しての移動はできませんから。
※ この追記は、facebookに書いたものを再掲したもので、固有名詞の部分を〇〇とし、改行しましたが、文章には手を加えていません。
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