2015年7月1日水曜日

世界遺産の経済波及効果は?

世界遺産の登録から1年・・・

2015.6.29(月)の上毛新聞に、「世界遺産の経済波及効果はあるか」といった群馬県内の首長を対象にした調査結果が掲載されました。
富岡製糸場と絹産業遺産群としての構成資産は、伊勢崎市・藤岡市・富岡市・下仁田町の4市町にありますが、
  藤岡市・富岡市・下仁田町 → 1(すでに経済波及効果が波及している)
と回答したのに対して、
  伊勢崎市 → 2(経済波及効果は、今後、波及すると思う)
と回答しています。
群馬県内の首長の3割が経済波及効果を実感しているとの調査結果ですが、この調査結果は、県内全域では、あまり経済波及効果が実感できていない、登録後の1年間、経済波及効果がないといった結果であるともいえるでしょう。
伊勢崎市にある構成資産の「田島弥平旧宅」は、伊勢崎市街地から離れた場所にあって、多くの方々は、国道17号などを利用して、埼玉県深谷市や本庄市の方面から見学に出向かれるのではないかと思います。

伊勢崎市(市町村合併後のいまの伊勢崎市ですが)といいますと、利根川の左岸側に位置していると思われる方が多いようですが、田島弥平旧宅がある島村は、利根川の右岸にあって、埼玉県と境を接している場所にあります。

有名な渋沢栄一の生家は、田島弥平旧宅のすぐ近くにある、といってもあながち誇張ではなく、ここが群馬県だと知らない方は、埼玉県だと早とちりをしてしまう場所といってよいかもしれません。
おそらく、田島弥平旧宅を見学された方々は、伊勢崎の市街地方面に出向くことなく、違う観光地方面に行ってしまうのではないかと想像しています。

田島弥平旧宅の見学者数の絶対数も少ないとのことですが、深谷市にある渋沢栄一記念館や渋沢栄一の生家〝中の家〟などは、それなりに見学者が来られているやに聞いています。
田島弥平旧宅の見学者が少ないのは、埼玉県側の渋沢栄一関連の見学に組み込まれることもないのか、といったことも考えられます。
いずれにしても、ここの見学だけでお帰りになる方々が多く、伊勢崎市街地に出向いて行かないのでしょう。
田島弥平旧宅は、現ご当主がお住まいになっているため、見学できるのは庭から外観のみとなっています。
むかしの養蚕農家の姿をとどめていて、養蚕農家に生まれて育った私としては、とても懐かしい感じがしますが、建物の内部が見えない・・・というのも見学者が少ない理由かもしれません。

上の画像は、田島弥平旧宅の井戸ですが、夏になれば、井戸にスイカをさげたり、うどんやごはんなどをさげて、冷蔵庫がわりであったころの生活を私は思い出しました。
田島弥平旧宅の猛犬です。

私が訪れたときは、お疲れモードであったのか、猛犬の感じがせず、ざぶとんの上で休息中でした。

駐車場をはじめ、道路の横断か所、田島弥平旧宅などに警備員が常駐しているのですが、私が訪れたとき、いく人かの見学者がいた程度でしたので、この状態では伊勢崎市が財政支出を続けられないのではないだろうか、と心配になったものでした。

これから先、伊勢崎市には、世界文化遺産による経済波及効果が、たくさんあってほしいものだと思っているのですが・・・。

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