2016年4月27日水曜日

予知と予測-地震

2016.4.20(水)の読売新聞
「編集委員が迫る」に寄せて

いま、九州地方における地震について、本震と考えられていた地震後に本震が発生したり、震度1以上の余震発生の多さなどで、とても特異な地震であると言われています。
また、この九州地方における地震によって、中央構造線沿いでの地震の活発化を心配される方もいますし、南海トラフ地震の発生を心配される方もいます。
2016.4.20(水)の読売新聞「編集委員が迫る」には、山岡耕春さんへのインタビューをもとにした記事が掲載されていました。
山岡さんといえば、岩波新書から「南海トラフ」を出版されていますので、書店で山岡さんの著書をご覧になったり、あるいは購入されて、すでに読まれたという方もいると思います。
いまや多くの方々の関心事といえば、南海トラフ地震や首都直下地震などの大きな地震が、
 いつ発生するのか、
 発生したとき、どれほどの被害になるのか、
 住んでいるところ、勤めているところ、学んでいるところは、安全なのか、
といったこと-心配事-ではないかと思うのです。
この記事は、読売新聞編集委員の方が、
 長年続く地震研究だが、発生やその後を予測することができないのか
という思いで、専門家である山岡さんにお聞きしたというものです。
山岡さんの著書を読まれた方は、予知と予測に関する考え方などについて、編集委員の方と山岡さんには、理解の相違があるのではないかと感じられたのではないか・・・と思うのです。
しかしながら私を含めて、多くの人々は、予知も予測もいっしょくたですし、これだけ長く地震を研究してきながら、なにもわかっていないとは、いったいどういうことなのだろうと不思議に思うこと、これは当然のことではないかとも思うのです。
山岡さんの著書を読んでみて、なるほどなと感じるところもたくさんありましたが、やはり一般的な気持ちとしては、確実な地震発生の予測ができる、そんな時代になってほしいと思います。
それは、家屋の下敷きにならず、津波で押し流されず、命を落とさないことにつながると考えるからです。
たしかに、予測に伴うコストのこともあるかと思いますが、それらのコストとのすりあわせをしつつ、人命尊重第一を旨とする地震への対策について、もっともっと国は本腰を入れて、研究体制等を拡充すべきではないでしょうか。

ここ最近、急に日本列島で地震が増えたり、火山の噴火が多くなったわけではなく、日本列島の成立にともなう宿命ともいえる長年の課題であるはずです。

これから先も大きな地震や火山の噴火におろおろして、地震や噴火がおさまれば、なにごともなかったかのように暮らす-喉元過ぎれば熱さを忘れる-といったことでなく、これからは日本中の人々が安心して暮らせる国土づくりを目指すべきではないでしょうか。

皆さんは、どのようにお考えになりますか。

どうぞ、2016.4.20(水)の読売新聞「編集委員が迫る」・「南海トラフ」(山岡耕春著・岩波新書)を読んでみてください。

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