下仁田構造帯について (その1)
構造帯とは、「狭い地帯に何種類もの地層や岩石が、複雑な地質構造で存在する地帯(「下仁田町と周辺の地質」下仁田自然学校 92頁)のことです。
下の地質略図をご覧ください。
狭いところにたくさんの地層があり、それらが入り組んだようすがおわかりいただけると思います。
「下仁田町と周辺の地質」下仁田自然学校発行から転載 |
英 tectonic zone (※引用にあたって、独・仏・露は、私が省略)
(1) 一つの構造形態がおもに分布し、他の地域と違う独特の構造発達史をもつ地域。最も大きい構造帯の区分は変動帯と安定地塊(安定大陸と大洋底)の区分である。変動帯は多くの構造線で境され異なった特徴をもつ構造帯に区分される。日本列島は大きく本州区・飛騨区・四万十区・日高区・フォッサマグナなどに分けられ、本州区には、北部北上山地・南部北上山地・阿武隈変成帯・中国帯・舞鶴帯・丹波帯・領家帯・三波川帯・秩父累帯などの構造帯が含まれている。<松井愈>
(2)構造線のうちで、ある程度の幅をもち、その部分だけで複雑な地質構造をもち、固有の発達史を示すようなもの。たとえば黒瀬川構造帯。<山下昇>
「地学事典」(1984年・改訂版第4刷・平凡社から引用)
これから下仁田構造帯の地層について、ひとつずつお話しをさせていただこうと考えています。
下仁田ジオパークを見学していただく際に役立つと思いますので、ちょっと退屈かもしれませんが、おつきあいください。
最初にお話しする地層は、これまで鬼ヶ沢(おにがさわ)鉄橋、小坂坂(おさかざか)峠道を紹介してきましたので、この鬼ヶ沢鉄橋や小坂坂峠道の地域一帯に広く分布している南蛇井層にしてみました。
南蛇井層泥岩(下仁田町自然史館蔵・展示中) |
これによって、南蛇井層は、中生代ジュラ紀後期に海の底に堆積した地層であると考えられています。
南蛇井層のほとんどに細かい割れ目があります。
これは、海底に堆積後、地下深いところでつよい力が加わったため、と考えられています。
一般県道・南蛇井下仁田線沿いで、南蛇井層-中生代ジュラ紀後期の海の底にあった地層-を観察することができます。
※ 一般県道・南蛇井下仁田線は、上信電鉄の千平駅で下車し、小坂坂峠道に向かう道路です。
【おすすめの観察コース】
上信電鉄の千平駅下車→不通(とおらず)渓谷→一般県道・南蛇井下仁田線→鬼ヶ沢鉄橋→一般県道・南蛇井下仁田線(下仁田方向に向かって、右側の露頭で南蛇井層・平滑花崗岩を観察)→下仁田の町中→昼食・散策(おみやげ)→青岩公園→下仁田町自然史館(下仁田構造帯の岩石をはじめ、いろいろな化石なども展示されています)→上信電鉄の下仁田駅
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