2019年2月28日木曜日

試運転

上信電鉄700形

2~3日前から試運転をはじめたようでしたが、きのう(2019.2.27)の午後、運よく撮影することができました。
この車両はJRの107系で 、JR東日本で運用されていました。
2014.1.22に安中市磯部地内で撮影した107系です。
後ろに見える山は、妙義山になります。
 「JR東日本の107系が上信電鉄へ有償譲渡される」
との上毛新聞の記事を読んだときは、たいへんうれしい気持ちになったものでした。
身近な上信電鉄で、107系が走るところを見ることができるのですから。
 試運転が終了して、定期運用に107系(上信電鉄700形)が加わる日が楽しみです。
 上信電鉄700形を待っているとき、通過していった車両(↑・↓)です。
これから上信電鉄沿線は、サクラの花をはじめ、春の花がいっぱい咲き、とても美しくなります。
安全・快適な上信電鉄で、西上州の春を楽しみませんか。

2019年2月24日日曜日

世界文化遺産・旧官営富岡製糸場

入場者数などをグラフにしてみました

下のグラフは、2014年度から2018年度(2018年度については、4月から1月まで)の入場者数です。

先日の
世界一つまらない世界遺産
      富岡製糸場を救う妙案!?
を見ていただいた方から「数字だけだとわかりにくいので、グラフにしてもらえるとわかりやすいと思います」とのご意見が寄せられました。
確かにグラフにすると、入場者数が激減していることがよくわかります。
この画像(↑・↓)は、先日のブログで紹介した「所さん!大変ですよ」で放送された映像になります。
世界遺産に登録された2014年には、多くの方々が入場待ちの行列をつくっていたものでした。
下の表をグラフにしてみると、なかなか興味深いことが見えてくるように思います。
これから紹介するグラフは、2018年度の入場者数を各年度の入場者数と対比したものです。

 
 それぞれのグラフは、左から4月~1月のデータが入っています。
右から2番目は12月で、いちばん右は1月ということになりますが、11月以前に比して、比率が高まっているような・・・。
詳細なデータが入手できて、いろいろな角度から分析すれば、さまざまなことがわかってくるのかもしれない・・・と、そんなことを思っているところです。

2019年2月23日土曜日

シーボルト事件の新史料

稲部市五郎の検視記録

なにげなくフェイスブックの投稿記事を眺めていたところ、西日本新聞の記事が目にとまりました。
すぐに西日本新聞にアクセスして、記事を読んだところ、七日市藩の牢獄で病死したとされる稲部市五郎の検視記録が発見されたという内容でした。
稲部市五郎については、こちら(↓)をご参考までに。

稲部市五郎種昌   漢文を基礎から学ぶ講座

富岡市七日市の金剛院には、稲部市五郎の墓があります。
稲部市五郎は、牢獄にいながら医学の知識を多くの人々に教え、人柄もよかったのかもしれませんが、七日市藩の人々が市五郎をこの地に埋葬し、墓を立てたと伝わっています。
牢獄があった場所に立つ石碑は、市五郎の功績をたたえて、のちに医学界の人々が立てたものです。
西日本新聞のHPには、検視記録の表紙と検視した場所の見取り図が紹介されています。
表紙には、
天保十一子年
阿蘭陀小通詞末席稲部市五郎
病死(小さいニがあるかも)付死骸御検分取扱?
九月      石井?右衛門
 と書かれています。
たいへん貴重な史料が発見されたと思います。
長崎学研究所において、3月発行の研究紀要で発表されるとのことですが、こういった史料の発見によって、当時の七日市藩の対応などもわかってくることでしょう。
いずれ近いうち富岡市において、この新史料発見に関する講演会をはじめ、史料の展示などを実現していただきたいものだと思っています。
 ※ 記事の全文は、
西日本新聞のHPでお読みください。

2019年2月22日金曜日

世界一つまらない世界遺産

富岡製糸場を救う妙案!?

2019.2.21に放送された「所さん!大変ですよ」で、世界文化遺産の富岡製糸場が紹介されました。
この番組で、富岡製糸場の入場者数が激減していること、入場者数の減少(入場料収入の減少)によって、維持保全の予算化が困難であること、富岡製糸場を維持保全するために莫大な経費がかかるということをふまえ、ゲストで出演された方が提案したのが、
 世界一つまらない世界遺産
   というキャッチフレーズにしたらどうか、でした。
まずいというラーメン屋に行ってみたいと思う気持ちと同じで、好奇心をくすぐるうえで、 世界一つまらない世界遺産というキャッチフレーズがよいのではないかと・・・。
この番組では、入場者数の紹介はありましたが、入場料収入の紹介はありませんでした。
入場料収入をNHKが取材しなかったのか、NHKの取材を富岡市側で拒否したのかどうかはわかりませんが、
   客が来なければ修繕費がまかなえない・・・
という展開を考えるとき、入場料収入の推移についても紹介してほしいものだと思いました。
「所さん!大変ですよ」では、2017年度の入場者数までを紹介し、2018年度の入場者数を紹介していませんが、2018.4~2019.1までの入場者数は、
  462,927人
で、このまま推移すれば、2017年度の637千人を下回ることは確実だと思われます。
「10年間で100憶円」とか「建物全体で35億円」といったテレビ画面を見て、多額な予算が必要であることは承知していたとはいえ、多くの富岡市民が驚いたことと思います。
きょうの上毛新聞に、富岡市の来年度一般会計当初予算に関する記事が掲載されています。
厳しい財政状況が続くなか、これから先どのようにしていくのか、富岡市民の悩みは続きます。
天井が落ち、床が抜けた寄宿舎であった建物を修繕して、ここを宿泊できる施設にしたところで、ここに宿泊したいという方がいるものだろうか・・・。
この番組で紹介された寄宿舎内部については、つぎのブログで紹介しています。

富岡製糸場と絹産業遺産群-建物の維持管理、その難しさ
      ぐんま街・人・建築大賞  富岡製糸場、維持管理で 
              片倉工業(東京)が受賞

以前、つぎのブログをアップしました。

その世界遺産 いりますか?-文藝春秋二月新春号
     いま住民たちは困惑している
このブログには、多くの方からメールなどで意見やお考えを寄せていただきました。

富岡製糸場を世界遺産に!!
という活動をした方々は、
世界遺産に登録されてからがたいへんであることを、
   しっかりと認識していたのだろうか・・・。

2019年2月18日月曜日

巨大金鉱山~西伊豆・土肥金山

旬感☆ゴトーチ
NHK・2019.2.18放送

20分ちょっとの放送時間では、とてももったいない感じがした内容でした。
なにしろ金山に関することですから。
 私が所属させていただいているぐんま鉱山研究会のブログ(↓)

探鑛は専門家の独占的技術に非ず 素人にも發見は可能である
    という「素人手引金銀鑛脈発見法」という本を見つけました。

で紹介したところですが、ひとくちに鉱物といっても金は別格といいますか、古の時代から人々をひきつけてきた鉱物の代表格のような存在、それが金ではないかと思っています。
 この番組には、伊豆半島ジオパークで活躍している佐野さんが出演されました。
短い放送時間でしたが、うまく構成されていて、伊豆半島ジオパークが世界ジオパークに認定されたことをはじめ、伊豆半島ができたときのようすなどを的確に紹介していて、たいへんすばらしい内容の番組でした。
金山跡がテーマパークになっていて、ここでは坑道内の見学をはじめ、砂金探しもできる施設があります。
いま、私たちが調べている鉱山跡は、もともと金山として開発されたとかで、それなりに金を産出していたという資料が残っています。
この鉱山跡がテーマパークになれば・・・と思っているのですが。
わずか7gということで、いかに金が貴重なものであるかがよくわかる説明もあり、金山全体のこと、金の鉱脈、鉱石のことなどがよく理解できる内容で、とても勉強になりました。
佐野さんの案内(ガイド)が番組を盛り上げていたこと、これがこの番組がよかったいちばんの要因といってよいかもしれません。
佐野さんには、これからもお元気で、伊豆半島ジオパークを盛り上げていただきたいと思っています。
佐野さん、たいへんお疲れさまでした。

2019年2月13日水曜日

繭・製糸・風穴

大正時代の広告

明治・大正・昭和にかけて、主に群馬県西部で稼行していた鉱山を調べていますが、その作業の過程で見つけた本のなかに、たくさんの広告が掲載されている本がありました。
原富岡製絲所は、旧官営富岡製糸場であった工場ですが、三井に払い下げられたあと、原が経営していたものです。
私がこどものころには、片倉工業富岡工場となっていたのですが、お年寄りのなかには、〝原製絲〟と呼んでいる方もいたと記憶しています。
右隣りの源氏とあるのは、いまも富岡市内にある料亭です。
製糸のほか蚕種製造の広告も多く掲載されています。
また、製糸から出てくる蛹(さなぎ)を原料にした肥料でしょうか、蛹肥料という商品らしきものもあります。
右の志のやは、砥石を扱っている店で、この店の経営者である篠原粂吉は、南牧村砥沢の砥石山を経営したり、下仁田町中小坂の砥石山を経営していた方だと思います。
篠原粂吉といえば、茨城県からこんにゃくの乾燥・精粉技術を南牧村に伝えるため、同地の斎藤周蔵という技術者を招いた人物としても有名です。
これらの広告が掲載されているのは、「北甘楽郷土誌」という本で、国立国会図書館デジタルコレクションで見つけました。
 大正6年ということですので、1917年の発行になる本です。
いまから100年前の時代、とても製糸が盛んであったことがわかる広告が、この本には多く掲載されていますが、さらに続けて見ていきましょう。
下仁田社は甘楽社と碓氷社とともに、とてもすばらしい生糸を紡ぎだし、明治のころに輸出されていった生糸のうち、この3社の生糸が占める割合は、実に大きなものでした。
この当時の下仁田町には、たいへん好調な輸出企業があったということがいえるかもしれません。
大正から昭和にかけて、電気を使用した冷蔵技術が普及し、自然の冷気を使用して蚕種を保管する風穴は、すこしずつ営業規模を縮小せざるを得なくなります。
大正6年ころといえば、風穴への蚕種貯蔵依頼が減少してきたころ・・・であったと記憶しています。
この本が発行されたころ、それでも甘楽地方では、蚕種や生糸で儲けた商人が、夜になるとまちへ繰り出し、花月といった料理屋などで、大宴会を繰り広げていたことでしょう。
ここで紹介した広告以外に、たくさんの広告が掲載されているのですが、華やかな時代、好景気であった時代を思わせる広告の数々は、この郷土誌の本文よりもおもしろく、また興味深いものがあり、目下のところ広告ばかりを眺めています。

2019年2月8日金曜日

最低50万人/年間の見学者数の確保が必要

80万人・5億円であったのでは・・・?

まずは、つぎの表をごらんください。
たいへんな金額を投じて、保存修理などの工事が行われていることがわかります。
そして、私が気になったのは、上の画像で赤い下線を引いた部分です。
といいますのは、これまでもブログでいろいろ述べさせていただいていますが、

80万人・5億円:世界文化遺産 旧官営富岡製糸場
      これから先、ずっと維持していけるのだろうか・・・

旧官営富岡製糸場について、一般財源を投入せずに維持するためには、80万人・5億円が必要であったはずですが、この80万人より30万人も少なくて、はたしてだいじょうぶなのだろうかと私は疑問に思うからです。
単純に、80万人・5億円
  50万人になったとして、80万人と比較すれば、5億円が3.125億円となり、
  入場料収入がおよそ1.9億円減になってしまうことになります。
はたして、3.125億円になったとして、それで富岡市が支出する維持保全の経費を賄えるものなのでしょうか・・・?
ご覧いただいている画像は、富岡市議会議員の佐藤信次さんの市議会通信(↓)を転載させていただいたものです。
 つぎの画像の下線部分をご覧ください。
このなかで私が注目したのは、
  議会報告会でも、税金投入だけは避けてほしいとの意見
が出されたという部分と、
  専門チームを立ち上げ、運営のあり方、問題点を洗いだし、しっかり議論すること
の部分です。
いまや多くの富岡市民が、
   旧官営富岡製糸場の維持保全のために、
  税金投入だけは避けてほしい
と思っているのではないでしょうか。
入場者数が減少していることは、当然のことながら入場料収入の減少につながっているはずです。
ところが富岡市では、入場料収入を公表していません。

広報とみおかで情報提供を 420,307人  
    世界文化遺産・旧官営富岡製糸場

 2019年1月の入場者数が発表されましたが、この数字を見て、私はおやっ・・・と不思議に思ってしまいました。
2018年12月も対2017比で91.92となっていますが、2019年1月の対2017比の数字を見ますと、2018年12月の91.92よりも高く、2018年11月までの対2017比よりも高くなっていて、ほぼ2017年1月の入場者数と同じぐらいになっていたからです。
実際に年末から年度末にかけて、入場者数が増えているということなのでしょうが、すこし不思議な感じが私はしています。
入場者数と入場料収入が公表されていれば、このふたつの数字を見比べることも可能ですが、入場者数だけの数字では、なにもわからないといってもよいと私は思います。
富岡市長は、
  積極的な情報発信・情報提供
と述べていますが、旧官営富岡製糸場の入場料収入の金額を公表しないのは、どうしてなのだろうか・・・と、私には不思議でなりません。
世界文化遺産登録5周年となる今年、佐藤信次市議会議員の市議会通信にある

 私たちも危機感をもってしっかり対応しなければなりません

は、これは富岡市民一人ひとりに投げかけられたものであり、これから先、旧官営富岡製糸場をどうしていくのか、私たち富岡市民一人ひとりの覚悟が問われているということではないでしょうか。

2019年2月2日土曜日

カリウム・アルゴン

映画「おしゃれ泥棒」

2019.1.23(水)にNHKBSプレミアムで放送した「おしゃれ泥棒」を見ていて、こんなシーンがあったな・・・と思い出したシーンがありました。
それは、つぎのシーンです。
映画の字幕「カリウム・アルゴンをひと吹きすれば-」は、年代測定方法のひとつでK-Ar 法といわれているものです。
K-Ar 法とは、ウイキペディアによれば、

 1955年に登場した手法で、マグマに含まれている放射性元素「カリウム40(40K)は、約13億年の半減期で放射性崩壊して「カルシウム40(40Ca)と「アルゴン40(40Ar)という別の元素に変わる。

と説明されているものです。
1966年に公開された「おしゃれ泥棒」は、いつ見てもたいへんおもしろい映画で、名作中の名作といってよい映画ですが、1955年に登場したK-Ar法を取り上げていて、かなり新しい地学分野の話題を積極的に取り込んだシナリオになっていることがわかります。
「ひと吹きすれば」とか年代測定のほか、いろいろなことがわかるかのような表現は、ここではご愛嬌として、美術品の贋作をしている人にとって、K-Ar法の登場は、とんでもない〝贋作鑑定方法〟が登場した、という驚きをあらわしていると考えれば、とても興味深い映画であるといえるのではないでしょうか。
地学関係の論文などで、
  〇〇について、2.95Ma、3.61Maのカリウム-アルゴン年代を報告
というような記述を目にしたときには、「おしゃれ泥棒」で紹介されていたものだな・・・と考えるのも楽しいことではないかと。
ご興味がおありの方は、ネットでK-Ar法を検索してみてください。
なお、ここで紹介した画像は、必ずしも映画のシーン順ではありません。