2015年5月30日土曜日

やるなら徹底的に!

中途半端なことは やめたほうがよいのでは?

今年の4月、旧官営富岡製糸場に行ったとき、団体で来られて見学されていた女性の方たちが、

  「富岡製糸場、富岡製糸場というから、てっきり明治のころのようすが見られるかと思ったら、片倉が操業していた時代のものがあるだけじゃない?!」


  「そうね。中途半端な感じで、がっかりだわね」

と話されているのを耳にしました。
たしかに一般的には、工女さん姿の「お富ちゃん」の存在もあったり、新聞やテレビ等の取り上げ方が明治期の旧官営富岡製糸場、といったイメージを与えるのか、明治期の旧官営富岡製糸場の姿が見られると思う方が多いのではないでしょうか。

いろいろなお考えがあると思いますし、最後の操業時の姿をとどめているというのも価値があることなのでしょうが、一般的な感覚としては、中途半端な姿になっているという印象は否めないかもしれません。

そのあと、別の女性が、

  「それに乱雑だし・・・ね」

と話され、まわりの方々がうなづかれていました。
どこをご覧になって、乱雑だとおっしゃったのかはわかりませんが、私も片倉工業が操業していたときの物があちこちに置かれたままのようすを見るとき、最後の操業時の姿をとどめているのだという考えもわからないわけではありませんが、入場者が歩くところ、見えるところについては、もっと整理すべきではないかと思っています。
 
せっかくお出かけいただいた方々をがっかりさせない工夫をすべきであると思います。
乱雑に見える場内をきれいに整理するとか、乱雑に見えるけれど乱雑ではないのだ、というのであれば、それをもっとアピールして、すばらしい展示物に仕立て上げることも可能ではないでしょうか。

フランス式操糸器にしても東繭倉庫であった1階に展示されていますが、これがずらりと並んでいる明治の創業期の姿を期待して入場されてくる方々もいる、ということを考えるとき、展示のコンセプトをどのようにするのか、またそのコンセプトをわかりやすく発信して、理解していただけるようにするのか、といったことを考えるべきではないかと、この春の女性たちの会話を耳にして、そんなふうに思いました。

当たり前のことかもしれませんが、中途半端なもの、また中途半端のような印象を与えることは、入場された方々をがっかりさせてしまい、また来てみたいという気持ちにさせないでしょう。

どうせやるなら徹底的
 -富岡製糸場であれば、すべてを明治の創業期の姿に復元するとか-
   にやって、

来られた方々に、
 喜んでいただく、感動していただく、楽しんでいただくこと
が大切なことではないでしょうか。

そこへいくと、川場村の取り組みは、ほんとうにすばらしいものだと思います。

これまでのブログ記事2件(↓)でのまとめとして、私が考えていることは、つぎのようなことです。

ひとり暮らしの高齢者-群馬県利根郡川場村の場合1
http://geogunma.blogspot.jp/2015/05/blog-post_27.html


川場田園プラザ-川場村の元気、その象徴
http://geogunma.blogspot.jp/2015/05/blog-post_29.html

それは、
   どうせやるなら徹底的にやる。
      中途半端なことはしない。
 ということです。

中途半端な規模で、中途半端な運営をする道の駅をつくれば、結局は赤字経営となり、挫折していってしまうことになります。
大規模なことをしようとすれば、初期投資に大きな予算が必要ですし、その事業が失敗すれば大きな損失となってしまいますが、それを乗り越える決断と努力こそ、川場村が成功している大きな要因といえるのではないかと思います。
きのう(2015.2.29(金))の上毛新聞に、この田んぼで子どもたちが田植えをした記事が掲載されました。
群馬県内の方々は、かわいい子どもたちの田植え姿を記事中の写真でご覧になったことと思います。

この記事については、上毛新聞ニュース(↓)でご覧いただけます。
http://www.jomo-news.co.jp/ns/7314328265537288/news.html

      古式の衣装で豊作願う  川場で「田植祭」
                     更新日時:2015529() AM 06:00

 米どころの川場村で豊作を祈願する「田植祭」が28日、同村萩室の道の駅川場田園プラザの水田で開かれた。田の神に仕える人々の衣装を身に着けた川場小5年生30人が農業関係者や村民に見守られながら苗を植えた。     (上毛新聞ニュースから引用)

どうぞ、上毛新聞ニュースで、かわいい子どもたちの田植え姿をご覧ください。

この田んぼでの田植えにしたところで、おとなが田植え機で植えていたら、たったそれだけのことですが、小学5年生が田の神に仕える人々に扮して、田植えをすることに大きな意味があると思います。
この田んぼでの田植えに参加した子どもたちは、
 ふるさとの川場村につよい愛着を感じるでしょうし、

遠くから来られた方々は、こういったようすを見て、
 この村は子子孫孫こうやって文化を継承しているのか、すごいものだな
と感心して、
特産の川場米「雪ほたか」を食べるたび、子どもたちの姿や川場村の風景を思い出すことでしょう。

いま、地方創生とかいろいろなことがいわれていますが、


      失敗を恐れず、
            どうせやるなら徹底的にやる。
                      中途半端なことはしない。

                                                                                                                             と考えて、

首長などの指導者、住民が一体となって、一生懸命に突き進む気構えが大事なことではないかと、
そんなことをつらつら考えているところです。

0 件のコメント: