衆議院解散・総選挙
財源とか制度などを考慮せず、
〇〇を無料化する
〇〇を新規に始める
〇〇を建設する
・・・という〝気前のよいお約束〟を掲げる政党、候補者がいますが、こういった政党・候補者に対して、なんらかのペナルティを課すことができないものなのだろうか、と選挙のたびに思います。
たとえば、A党とB党が、
A党→財政状況を十分に理解し、なおかつ将来のことも考え、とても無料化できる状況ではない。
B党→財源をひねりだしてでも無料化を実現する。
と主張して、選挙戦を展開したとしましょう。
もちろん、この主張のみで有権者はAかBを選ぶのではなく、この主張以外の政策や経験なども考慮して、AかBを選ぶことになると思うのですが、これまでの国政選挙を見てみますと、後先を考えずに〝気前のよいお約束〟を掲げる政党や候補者が当選する傾向があります。
来月には、衆議院解散・総選挙とのことですが、いわば人気取りとしか考えられないことを主張する政党や候補者は、ただたんに自分が属する政党が議席を増やし、さらには自分が当選すればよいだけであり、わが国の人々のこと、財政状況のことなど、将来の日本のこと全体を考えていない、と理解してよいと私は思っています。
これまで、〝気前のよいお約束〟を掲げる政党や候補者を当選させたことによって、わが国の政治や経済を混乱させられてきた苦い経験をふまえて、有権者である私たちは、しっかりとした考えで政党や候補者を選びたいものだと思います。
いまの選挙で改善すべき点は、いろいろあるかと思うのですが、私はつぎの2点を提案します。
① 公約(マニフェスト)は、有権者との契約行為であり、当選後に公約に違背したときは、これを契約不履行ととらえて、政党の活動停止や公民権停止等のペナルティを課したらどうか、というものです。
〝気前のよいお約束〟を掲げる政党が勝利して、その約束を実現できなかったときは、懲りさせることが必要なことだと考えます。
いまは、つぎの選挙で議席を減らすことがペナルティになっているのですが、ときに政治や経済を大混乱させた重大性を鑑みるとき、もっと厳しいペナルティを用意しておくべきだろうと私は考えます。
厳しいペナルティがないがために、いつまでたっても無責任と思われる耳触りのよい主張しかしない政党や候補者が登場することになる、と思っているのですが・・・
② A候補とB候補のふたりが立候補したとして、いまの選挙制度ではAかBのどちらかを選ぶしかありません。
このA候補とB候補のふたりがともにすばらしい人物であればよいですが、そうでないときには、どちらにも×(不信任)ができるシステムに変更すべきであると私は思っています。
小選挙区制度の1人区の場合、立候補者の所属政党内で調整が終われば、当選が決定したも同然の状況になることもあり、選挙で有権者が選ぶ余地は、事実上まったくないということもあります。
いまの選挙制度は、ふさわしい人物が立候補するという前提でつくられていますが、実態はかならずしもその前提通りではありません。
その実態に対応するため、A候補とB候補に対する信任投票を実施するのです。
候補者の〇(信任)が×(不信任)より少ないときは、ふたりとも〝落選〟となり、選挙のやりなおしをします。
再選挙は1回のみとして、落選したA候補とB候補は立候補できず、ほかの候補者での選挙となります。
再選挙の候補者が現れず、また再選挙が実施されたとして、その再選挙でも信任が得られないときは、その選挙区での当選者なしとして、つぎの総選挙までは、空白区としておくというのがよいと思います。
その選挙区内には、ふさわしい人物がいなかったのですから、ふさわしくない人物を当選させて、その人物に貴重な公金を支給することもないだろう、というのが私の考えです。
それにしても、①と②は、だれが決めるのかといえば、国会ということになります。
公約違背に対する厳しいペナルティづくり、政党推薦の候補者が信任を得られないときは空白区で・・・、といったことは、与党も野党もしたくないでしょうから実現困難なことだと思うのですが、いまの投票率の低さには、こうした政党の無責任ともいえるマニフェスト、どうせ決まっているのだからという小選挙区の実態に対して、多くの有権者がさめているからではないでしょうか。
以上は、衆議院解散・総選挙にあたっての私の雑感です。
身近な富岡市での場合ですが、今年の春の富岡市長選挙において、学校給食無料化を選挙公約とした候補者が当選しました。
ほかの候補者は、学校給食無料化は財政的に困難と主張していたと記憶しています。
小中学校の給食費無償、市長が表明…群馬・富岡
群馬県富岡市の岩井賢太郎市長は11日の市議会一般質問で、10月から市立小中学校の給食費を無償にすると表明した。
対象となるのは小中学生計4079人(4月末現在)の給食費で、未就学児は含まない。市が負担する費用は年間約2億円。今年度分として1億円を9月に予算化する方針。
小中学生の給食費無償化は4月の市長選で返り咲いた岩井市長が選挙公約に掲げていた。答弁で「財政状況は厳しいが、すべての行政経費を見直してでも財源を生み出し、ぜひ続けていきたい」と語った。
2014年06月12日 14時32分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
群馬県富岡市、第3子から給食無料 子育て支援10月実施
富岡市の岩井賢太郎市長は22日の記者会見で、市内小中学校の児童生徒で各家庭の第3子から給食費を無料にすることを明らかにした。
9月補正予算で必要な措置を行い、10月から実施する。
今年4月の市長選で岩井市長は全児童生徒の給食費無料化を公約の一つにしていたが、「子育て支援では違う方向に予算をかけるべきだとの声もあった」とし「段階的に進めていきたい」と述べた。同時に、給食について協議する検討委員会を立ち上げ、給食費のほか、食育への取り組みなどを含めて対応することも明言した。
9月補正では、本年度に対象となる184人の児童生徒の給食費456万3000円を計上する。
市長選での公約として掲げていた新庁舎見直し問題では、現在の4棟分棟形式を見直し、2階をフロアでつなげる2棟方式とする考えを明らかにした。
行政棟と、教育委員会なども入る議会棟で構成、3階建てになる。現在の計画と比較すると床面積で約200平方メートル縮小となる。岩井市長は「4棟に分かれている点が市民に理解されない面があった」などと話した。
また、岩井市長は多くの見学者でにぎわう富岡製糸場で狭くなっている繰糸場入り口を一方通行にするよう文化庁と調整していることも明らかにした。「1週間程度でできる出口の整備工事で、トイレ整備と同じ9月に着工したい」と述べた。
産経ニュース 2014.8.23 03:04
給食費無料化は白紙 富岡市議会「時期尚早」 群馬
富岡市議会は9月定例会最終日の25日、当初の本年度一般会計補正予算案から給食費無料化の補助金を削除した修正案を全員一致で可決した。
給食費無料化をめぐっては、岩井賢太郎市長が4月の市長選で「全ての児童生徒の給食費無料化」を公約に掲げ、9月定例会で「きょうだい3人以上が市内小中学校に在学中の家庭の3人目以降」を対象にした184人分、456万3千円の無料化補助金を含む補正予算案を上程。付託された社会常任委員会で異論が上がり、賛成少数で否決されていた。
この日の本会議では、委員会で否決した議員から「子育て支援の充実を図るなら給食費も含め支援対策制度として整備すべきだ。あらゆる角度から調査検討を重ねる必要があり、現時点では時期尚早」などとした補助金削除の修正案が提案され、賛成多数で可決。続いて、削除部分を除く原案が全員一致で可決された。
給食費無料化が白紙になったことについて、岩井市長は「時期尚早とはわからないが、よく考えていきたい。だが、給食費無料化を第3子から始め、全児童生徒に拡大させるとの思いは変わっていない」と述べるなど強気の構えを崩していない。
産経ニュース 2014.9.26 07:01
いまの時代にあって、
〇〇を無料化する
〇〇を新規に始める
〇〇を建設する
・・・という〝気前のよいお約束〟を掲げる政党や候補者には、気をつけたいものだと私は思っています。
〝気前のよくないお約束〟を掲げる政党、候補者がいたら、その主張するところをよく聞いて、どちらの主張がよいかを見極めたいものです。
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