2014年11月10日月曜日

群馬県の魅力度

低いのは当たり前??

ブランド総合研究所の調査結果について、これもひとつの考えに基づく調査であり、その調査結果に一喜一憂する必要はない、というのが私の基本的な考え方です。
でも、「茨城県と最下位争い」などという見出しの新聞記事などを目にしますと、群馬県に住むひとりとして、やはり心中は穏やかではありません。
群馬県は、大きな自然災害の被災が少ないうえ、私が住む地域では、たまに雪が降りますが、それとてすぐに融けるほど(今年2月の大雪は、まさに別格のできごと)であり、交通網が発達していて、とても住みやすいところだと私は思っています。

ブランド総合研究所のホームページで、地域ブランド調査2014の概要が紹介されていますので、調査項目などについては、こちらをご覧になってください。

地域ブランド調査2014
http://tiiki.jp/news/05_research/survey2014

地域ブランド調査2014 パンフレット
http://tiiki.jp/news/05_research/survey2014/2285.html

こうした調査において、群馬県は魅力度が低いといわれますが、「それは調査項目がおかしいからではないか?」といった疑問はさておいて、魅力度が低い大きな原因のひとつに、群馬県の宣伝べたがあるように私には思えるのです。

たとえば、群馬県のおとなりの長野県に行きますと、工夫をこらした観光案内パンフレット類が各所に置かれていて、それらを見て、
  つぎは、ここに行ってみたいな
と思わせてくれるのですが、群馬県の観光案内パンフレット類に、そのような気持ちを抱かせるものがあるでしょうか・・・

観光案内のパンフレット類以外、たとえば高速道路の観光案内を見てみましょう。
関越道の上里SAにある群馬県の観光案内です。
NEXCO東日本(東日本高速道路株式会社)が設置されたと思いますが、こうした案内標示を設置していただける、というときは、群馬県がNEXCO東日本にお願いして、もっと群馬県をアピールする内容にしてもらうとか、いろいろと効果的な宣伝を考えるべきでしょう。
たとえば、世界遺産に登録された4資産を強調するとか、
  群馬県に来たときは、ここも見て行ってください
というアピールをすべきでしょう。
なにもかも一律に並べて、ぽんと表示しておくだけでは、だれも見てくれないでしょう。
ましてや、トイレの前に設置されているわけで、忙しくトイレに駆け込む人々の目を引き付けておいて、さっぱりしてトイレから出てきたあと、ゆっくり見てもらうようにするためには、ひと目でひきつける工夫をこらした案内標示でなければなりません。
旧官営富岡製糸場ほかが世界遺産に登録され、4か月余も経ているなかで、まったくこれをアピールしようとしない群馬県の姿勢こそ、魅力度が低い群馬県になっている大きな原因ではないかと私は思っています。

北関東道の波志江PAに設置されている群馬県観光案内マップです。
見るのがいやになってくるほど、いろいろなものがごちゃごちゃ書いてあります。
もっとすっきりしたものにできないのだとうか、と思って眺めているのですが、なんのために設置しているのか、これを見る人の利便性を考慮してない案内マップのひとつといってよいかもしれません。
たとえば、ここでも富岡製糸場が紹介されているのですが、世界遺産のほかの資産については、紹介されていません。
設置後の状況変化に対して、もっと機敏に対応すべきであり、機敏さもなく利用者に見ていただく工夫もしない群馬県の宣伝姿勢こそ、魅力度を低くしている要因といえるのではないかと私は思います。

世界遺産の登録に向けて、また登録後も群馬県は、多額の公金を投じているわけですが、こうした投資効果を群馬県全体にもたらさなくては、なんのための世界遺産登録であり、なんのために多額の公金を投じたのかといった批判が出てくるのではないでしょうか。

経済効果だけでなく、世界遺産がある県、世界遺産がある市というイメージアップによる効果が大きい、だから経済効果だけを言うことはおかしい
と考える方もおられます。
たしかにこれも一理あるお考えですが、このお考えの根底には、投資した公金以上の経済効果を数字で証明できない言い訳があるように私は感じます。

投じた公金と得られる(得られた)利益(経済効果)について、地方自治体は、しっかり住民に説明することが重要だと思います。

そうした意味でも群馬県は、もっとうまく宣伝をして、群馬県の観光地が世界遺産の波及効果による県内全体での観光客増、群馬県のイメージアップ、知名度の向上を積極的に図るべきではないでしょうか。
いろいろ手を尽くしても、世界遺産登録の効果を持続させることは、極めて難しいことだと思います。
すぐに世界遺産登録のことが忘れ去られ、近いうちに旧官営富岡製糸場などに閑古鳥が鳴く日がくるかもしれません。

いまのままでは、世界遺産に登録された資産だけでなく、群馬県全体の観光地でも閑古鳥が鳴く日がくるような、そんな気がしています。←私の杞憂であればよいのですが。

もちろん、ことはこのように単純なことではなく、いろいろなことが複雑に絡み合っているものですが、ものごとをシンプルに考えれば、そのときどきの状況に応じて、機敏に適切に宣伝を行うことによって、かなりの効果を得ることができるのではないかと私は思っています。

 

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