2013年8月6日火曜日

世界遺産候補

とても気になっていること

2013.8.4(日)の午前における富岡製糸場のようすです。
暑い日でしたが、たくさんの見学者が来られていて、たいへんにぎやかでした。

ところが、宮本町などの通りを歩いている人は、多くありません。
というより、人影がまばら、閑散としている、といったほうがよい状態です。
『あれ・・・、こんなことなの?』と驚くほど、通りを歩いている人がいません。
商店の店内を見ても、お客さんの姿は総じて少なく、『にぎわっているな!』といった感じではありません。
私の「とても気になっていること」のひとつめは、

 富岡製糸場を世界遺産へ!と動き出して、かなりの時間が経っているにもかかわらず、
 いま、こんな状態で、これから先はどうなるのだろうか、

ということです。

「スマイルとみおか」のブログ http://blog.goo.ne.jp/yumemachi-tomioka?fm=rss では、

  短期的に街のにぎわいを創生することはそう難しいことではありません。
  ただそれを継続して行くことや、本質的な問題の解決を見ることは相当難しいのです。
  まちづくりコンサルタントといわれる人たちはその短期的な成果を
  あたかも成功事例として持ち上げようとしますが、
  はたして10年後、20年後はどうなっているのかその辺が問題なのです。
  それは今、地方都市で起こっている問題は、
  おそらく日本全体の問題であり、相当根が深いからです。

と述べていますが、これはそのとおりだと思います。

しかし・・・

富岡市では、景観づくりをはじめとしてさまざまな施策を講じつつありますが、いまの状態-さびしい商店街、通り-が続けば、10年後、20年後には、まちづくりを担うべき商店がなくなり、まちなかの人々がいなくなる・・・といった事態になってしまうのではないか、と私は考えています。

まちづくりにあたっては、

短期的な目標-とにかくにぎわいをつくり、商店が儲かり、人々が生き生き暮らす日々を築く-

と、

長期的な目標-商店は儲けたお金で、通りに面した店の構えを補修(あるいは、建て替えて、統一的なまちなみづくりへ)し、まちなかに暮らす人々は、通りに花を飾り、心地よい空間づくりをするとか-

といったことが必要なのではないでしょうか。

いまの富岡市は、世界遺産になるかもしれない・・・というチャンスに恵まれています。
残念ながら世界遺産にならなかった、といった結果になるかもしれませんが、それはそれとして、私たちが住む富岡市にあるお宝-

富岡製糸場をはじめとする見どころがたくさんありますが、私たちが明るく楽しく暮らす、その姿こそ真のお宝だと私は考えます

-を十分に生かして、よそから多くの方々に訪れていただくまちにする、これがいちばん大事なことではないかと思っています。

もうひとつ、とても気になっていることは、通りに面した〝空き地〟が放置されたままになっていることです。
「赤レンガ休憩場 ごゆっくりどうぞ」と看板に書かれていますが、このありさまを見て、多くの人々は、
  「ずいぶん冗談がきついな」
と思うのではないでしょうか。
ここも壊れたベンチあり、手入れがされていない花壇あり・・・といった状態のうえ、ごみの収集場所になっているらしく、ごみ分別の一覧表が掲げてあります。

区画整理事業の失敗後における富岡製糸場を世界遺産へ・・・といった動きのなかで、苦肉の策的に始めたことであったのでしょうが、このような状況は、富岡市民ですら「さびしい商店街だな、見たくないな」と思うのですから、よそから来られた方々には、よりさびしい商店街に見えてしまう、そういったマイナス効果を与えるのではないでしょうか。

こういうものを見るたび、私は切なくなってしまうのです。

きちんと管理できないのであれば、このような場所をつくらず、映画のオープンセットのようなもの-通りに面したところだけつくる-で、まちなみを美しく演出したほうがよいと、私は思うのですが・・・

※ これまでのブログ投稿のうち、「世界遺産候補」と題した投稿です。

絹産業遺産群とは・・・
http://geogunma.blogspot.jp/2013/07/blog-post_6.html

世界遺産に登録されると、どんな効果があるの?
http://geogunma.blogspot.jp/2013/06/blog-post_17.html

まちづくりって、どうすればよいの?
http://geogunma.blogspot.jp/2013/06/blog-post_18.html

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