まちづくり
2013.8.9(金)の夜、NHKの「団塊スタイル」で、みやのかわ商店街振興組合(秩父市)の取り組みが紹介されました。
ここで紹介させていただく画像は、この放送の場面の一コマです。
この夜は、「商店街再生の罠-売りたいモノから、顧客がしたいコトへ(久繁哲之介著:ちくま新書)」を読んでいたときであり、実にタイミングがよい(私にとって)放送でした。
※ このブログの2013.8.10付け投稿をご参照ください。
秩父・長瀞方面へは、若いときから地質の調査等で何度も行っておりますが、みやのかわ商店街のことを知ったのは、ずっとあとになってからのことでした。
NHKの「団塊スタイル」で紹介されたなかから、私が印象に残った点を紹介させていただきます。
① リーダーの統率力
どのような活動においても、本気になって奔走するリーダーが存在しなければ、活動の存続、発展は望めません。
もちろん、そのリーダーの統率力もさることながら、人間的な魅力があってこそ、「このリーダーであれば安心だ」と多くの人が従うものです。
まずは、すばらしいリーダーがいること、これがいちばん大事なことであると思います。
つぎに、いつまでもリーダーの地位にとどまろうとしないことです。
かりに、「ずっと続けてください」という申し出があったとしても、潔く退くことです。
惜しまれて去る、これこそ引き際の美しさというものです。
② 振興組合役員の世代交代&新役員の積極的な姿勢
私は若いとき、「おとな(わたしより年上の人々)は、どうしてこうも頑迷固陋、保守的なこちこち頭の持ち主なのか!」と大いに憤慨したことがありますが、いま、私が若いときに憤慨した〝おとな〟になってみて、やはり斬新なものへの興味が薄らいでいることを実感することがあります。
理事長らの新旧役員の構成をみますと、大幅に若返っていることがわかります。
こうした若返りによって、新たな発想による活動が生まれる効果が期待できると思いますので、とてもよい役員交代をされたと思います。
ただ・・・テレビの放送を視聴していて、前理事長と新理事長の会話からは、まだ全面的に引き継いでいないような感じを受けました。
もしも、院政的なものになって、旧役員の影響力が残るようであれば、新しい役員のやる気がそがれ、一生懸命にやろうという気力が失せてしまうでしょう。
ここまで、みやのかわ商店街を盛り上げてこられた旧役員の方々ですし、そのようなことを行うことはありえないと思いますが、若い人たちに一切を任せる、といった覚悟、気分を持つことも重要なことではないかと思いました。
③ 楽しいイベントの実施
◎ ナイトバザール
秩父といえば、秩父の夜祭りが有名ですが、商店街のにぎわいづくりという意味では、このナイトバザールは、とてもよい企画だと思います。
商店街を華やかで、にぎやかで、お祭り気分にするためには、最高のイベントです。
◎ ワンコイン
商店街のレストラン、居酒屋などが比較的すいている曜日を選んで、ワンコイン(500円)のメニューを用意して、地域の人々に出かけていただこうというイベントです。
「地元に住んでいても行ったことがないというお店に行くことができた」という方や、「(出かけてきたことによって)顔見知りの方に会えた」という方などがおりましたが、これもよい企画です。
まずは、商店街に出かけていただく、そのきっかけづくりとして、飲食する機会があることは、とてもよい方法だと感心いたしました。
④出張商店街
施設に入所されていたり、山間部にお住まいの方々などへのサービスとして、これ自体での利益を求めることを考えていないという「出張商店街」です。
出張商店街では、つぎの開店に向けて、どのようなものを持ってくればよいかを細かく聞き取ります。
この女性の方は、おつまみにイカ天がほしいとのことでした。
⑤ みまもり隊
このおふたりの間にあるプラスチック箱の中には、トイレットペーパーをはじめ、缶詰、瓶詰の食料品などが入っています。
富山の置き薬商法をヒントにされたとのことで、品物は1回/月に補充、交換するというもので、買い物に出かけられないお年寄りには、とてもうれしいサービスです。
災害が発生した際には、非常用食料にもなりますし、たいへんすばらしいアイデアといえるでしょう。
この番組のゲストの方が、これらの取り組みについて、
新しいことをしているように見えるが、
もともとの商人のあるべき基本形を忠実に実践している
と述べられたのが印象的でした。
この「団塊スタイル」を見逃してしまった、という方は、近いうちに再放送があると思います。
たいへん興味深い内容ですので、どうぞご覧になってください。
また、みやのかわ商店街のことをもっと知りたい、という方は、こちらのHPをご覧になってください。
みやのかわ商店街振興組合
中小企業庁 がんばる商店街77選
商店街を盛り上げるのか、衰退させてしまうのかは、
その商店街の人々の取り組み、
その人々の意欲とアイデア、実行力に尽きる、
ということがよく理解できる番組です。
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