2019年2月2日土曜日

カリウム・アルゴン

映画「おしゃれ泥棒」

2019.1.23(水)にNHKBSプレミアムで放送した「おしゃれ泥棒」を見ていて、こんなシーンがあったな・・・と思い出したシーンがありました。
それは、つぎのシーンです。
映画の字幕「カリウム・アルゴンをひと吹きすれば-」は、年代測定方法のひとつでK-Ar 法といわれているものです。
K-Ar 法とは、ウイキペディアによれば、

 1955年に登場した手法で、マグマに含まれている放射性元素「カリウム40(40K)は、約13億年の半減期で放射性崩壊して「カルシウム40(40Ca)と「アルゴン40(40Ar)という別の元素に変わる。

と説明されているものです。
1966年に公開された「おしゃれ泥棒」は、いつ見てもたいへんおもしろい映画で、名作中の名作といってよい映画ですが、1955年に登場したK-Ar法を取り上げていて、かなり新しい地学分野の話題を積極的に取り込んだシナリオになっていることがわかります。
「ひと吹きすれば」とか年代測定のほか、いろいろなことがわかるかのような表現は、ここではご愛嬌として、美術品の贋作をしている人にとって、K-Ar法の登場は、とんでもない〝贋作鑑定方法〟が登場した、という驚きをあらわしていると考えれば、とても興味深い映画であるといえるのではないでしょうか。
地学関係の論文などで、
  〇〇について、2.95Ma、3.61Maのカリウム-アルゴン年代を報告
というような記述を目にしたときには、「おしゃれ泥棒」で紹介されていたものだな・・・と考えるのも楽しいことではないかと。
ご興味がおありの方は、ネットでK-Ar法を検索してみてください。
なお、ここで紹介した画像は、必ずしも映画のシーン順ではありません。

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