2015年2月24日火曜日

行政の役割とは?-学校給食費の無料化

行政が行うべきことか?
 公平性は、保たれているか?

先日、このブログ(↓)

 富岡市-2015年度一般会計当初予算案

   こんなことで、だいじょうぶなのかな・・・

 http://geogunma.blogspot.jp/2015/02/2015.html

 で、富岡市の2015年度一般会計当初予算案について、私の疑問、考えていることを述べさせていただきました。

2015.2.21付けの上毛新聞記事の一部です。
この記事にありますとおり、昨春の富岡市長選において、学校給食の無料化を掲げた候補者が当選しました。
撮影:2014.4.7
私が知る限りでは、ほかの候補者は、財政的に困難といった理由で、学校給食の無料化はできないと主張していました。
撮影:2014.4.12
あちこちにポスターを掲示し、小・中学校の給食費無料化を大きくアピールしていました。
また、こんな宣伝カーも走らせました。
宣伝カーの動画
2014.6.12の上毛新聞の記事です。
この記事の本文、その冒頭部分を抜き出してみました。
この記事を読んで、私は大きな疑問を感じました。

家計に占める教育費の割合が高いことは、そのとおりであると思いますが、
 学校給食費を無料化することによって、
  〇 子育て世代への支援になるだろうか?
  〇 定住化対策に効果があるだろうか?
また、給食費の不払いが問題化しているというのですが、
  〇 給食費の不払いと無料化は、まったく次元が違うことではないのか?
 学校給食費を無料化することによって、
  〇 保護者の不公平感が是正されるのだろうか?
といった疑問を感じました。

子どもの教育費は、家計の大きな負担であり、給食費が無料化されることは、子育て世代の家庭にとっては、たいへんありがたいことであると思います。
しかし、学校給食費の無料化が定住化対策に効果があるかといえば、はなはだ疑問であると私は思うのです。

なぜなら、学校給食費の無料化だけでなく、雇用の場であるとか、就学先などの条件によって、人々はより条件のよい場所、自分のライフスタイルに合った場所に移り住んで行くからです。

子育て世代、いわば働き盛りの世代についての定住化対策をいうのであれば、もっと根源的なところ-富岡市は、総合的に見て住みやすいかどうか-に目を向けるべきではないかと私は思います。

給食費の不払いをしている保護者には、きちんと給食費を納めさせること、これがまずは大切なことであると私は思います。
もし、失業してしまったとか、病気で入院してしまって、給食費が納められないという事情があれば、そういった事情に応じて、給食費の納入期限を延期するとか納入免除の措置を講じて、子どもが安心して通学できるようにすることこそ、血の通った行政であると思いますし、
 困ったときは、お互い様
の気持ちが大事であると思うのです。

2014.9.5 上毛新聞
2014.9.11 上毛新聞
私は、行政が行う事業には、
 ① 行政が行うための合理的な理由が存在すること、
 ② 公平性が確保されていること、
この2点が、つねに備わっていることが大切であると考えています。

学校給食費の無料化について、行政が行うための合理的な理由が存在するかといえば、これまでの新聞報道で知る限りにおいては、十分に意味があるものかどうか・・・。
子育て世代、いわば働き盛りの世代に対して、富岡市に住み続けていただきたいと考えるのであれば、なにを行政が行うべきか、子育て世代への支援策と支援方法について、もっとよく検討したほうがよいのではないでしょうか。

そして、予算の都合上といった理由で、無料化の対象者を限定するということですが、対象者の限定、その基準は、公平なものとなっているのかどうか、この点もよく検討したほうがよいのではないでしょうか。
2014.11.22 上毛新聞
この4月から旧官営富岡製糸場の入場料を1,000円にアップ(現在は、500円ですので、倍額になります)することになっており、この記事には、
   「観光客受け入れのために製糸場周辺の環境整備にもかなりの財源を充てており、
     市民の負担をこれ以上増やすことはできない(市幹部)」
といったコメントが紹介されています。

 富岡市の財政事情が厳しいため、この4月から旧官営富岡製糸場の入場料金を値上げさせていただきます

と旧官営富岡製糸場に来られる方々に大幅な負担増をお願いするのであれば、富岡市は、より効果的で無駄のない財政運営をすべきではないかと、そうでなければ旧官営富岡製糸場にお出かけいただく方々の理解を得ることもできないのではないかと・・・、いま、そんなことを思っています。

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