2018年1月8日月曜日

老人が老人を運ぶ国

バスもタクシーも来ない集落の「命綱」

それでも住み続ける・・・土地への思い

と題する記事(↓)を読ませていただきました。
つぎのブログ(↓)

「縮小ニッポンの衝撃」:NHKスペシャル 2016.9.25(日) 「もう人間の住むところじゃないと思います」

で、NHKスペシャルの番組を紹介しました。
この番組で、地域の皆さんが交代で運転して、〝地域の足〟を確保している事例を知ったとき、
『いまの急速な高齢化と人口減少を考えるとき、どこでもこれから起きることであろうし、まだ支え合って生きていられるところは、ましなほうかもしれない。なかには、もはや支えあうことができないほど疲弊してしまった集落もあるだろうし、今後、どうにもならない集落がたくさん生まれるのだろうな・・・』
と感じたものでした。
私が暮らしている富岡市や周辺の町村、その中心部をみても空き店舗が多くなってきていますし、聞くところによれば中心部では、住民も減っているとのことです。
富岡市の中心部でさえ、こういった状況であることを考えるとき、富岡市になる前の旧町村部、とくに農家主体の地区において、ますます高齢者が増加し、さらに若者が減少していっていることは、いうまでもないことかと。
また、富岡市周辺の町村のなかには、人口が減少したことによって、これ以上は集落でのお祭りを継続、維持できないとして、お祭りをとりやめたり、最終的には地域の守り神である神様にお帰りいただいた地区もあるやに聞いています。
そして、ここで紹介した記事は、つぎのとおり続いています。

   合法的な「白タク」
 「山間部で老人が老人を車に乗せて運んでいる」と初めて聞いたのは、20169月、担当している警察署の交通部長からでした。
 すぐさま調べ、過疎地の社協に連絡を取ったところ、「過疎地有償運送」という言葉を知りました。
 過疎地有償運送とは、公共交通機関がない過疎地で、住民が許可をとって、運賃を得ながら乗客を乗せる、合法的な「白タク」です。現場の山間部に行くと、ドライバーから「お金はもらっているが、1時間で数百円。ほとんど好意で成り立っている」という声を聞きました。
  ドライバーは平均65歳以上
 山間部の多い高知県では、過疎地有償運送は3カ所でおこなわれていました。初めに取材した場所以外の地域でも取材すると、ドライバーの平均年齢が65歳以上だったり、導入しても利用が伸び悩んだりしていました。
 年齢や利用料金以外に気になったのが、ドライバーをすることで、日常の生活や仕事に支障が出ていることです。「呼び出しがあればすぐに行かないと行けない」「お金を払うことで、逆に当然と思われているのではないか」という声も多く聞こえました。
  「もうかるわけがない。ほんまにボランティア」
 過疎地有償運送がおこなわれている集落は、老人が数人しか住んでいない場所がほとんど。車がなければ病院にも行けない人と、それを支える住人にも負担がかかっていることを、どれだけの人が知っているのか。
 当初からドライバーをつとめてきた男性は、こう言いました。
 「もうけるためにやっているわけではないが、もうかるわけがない。ほんまにボランティア」
 そもそも、なぜ高齢者たちは車がないと暮らせない場所に住み続けるのでしょう。利用者の一人は、「ずっとここに住んでいるから、落ち着くんや」と話します。
 集落も数十年前は林業やダム建設業で栄えた場所でした。住み慣れた場所で暮らしたいという思いをドライバーの男性はよくわかっているからこそ、ボランティアでもドライバーを務め続けるのだとわかりました。
     ◇
 <公共交通空白地有償運送> 
 バスやタクシーなどの公共交通が十分にない地域で、NPO法人や社会福祉協議会が地域住民に提供する運送サービス。2006年、道路運送法が改正され、「過疎地有償運送」として制度が始まった。
 地域の住民などが講習を受けて運転手になり、料金を得て客を運ぶ。154月から現在の名称になった。国土交通省によると、163月末時点で全国で99団体が運行している。

最終更新:1/7() 7:00

withnews
住み慣れた場所にいたいという気持ちがいちばんつよいのかもしれませんが、高齢になってからの転居は、経済的にも精神的にもたいへんなことなのだろうな、と私は想像してしまうのです。
といいますのは、私自身のことを考えたとき、若いときであれば簡単に転居してしまうかもしれませんが、年を取ってきて感じることは、『面倒くさいことはしたくないな・・・』という消極的な気持ちが大きくなることではないかと思います。
これから先、私たちが暮らす地域は、どのような姿になっていくのでしょうか。
ここで紹介した記事「老人が老人を運ぶ国」にある姿は、あすの私たちの地域の姿かもしれません。

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