2013年6月9日日曜日

砥石

小坂砥山(おさかとやま)

「北甘楽郡史(本多亀三著)」によれば「小坂砥 小坂村大字小坂より産す。明治維新頃より、漸次切り出し始めたり。一時は、頗る盛況を呈し砥澤砥に亜ぐの産額を見るに至りしが、今は採掘せざるが如し」と記載(193頁)されています。

小坂砥山は、戦後も操業していたとのことで、使われていたトロッコの車輪やレールが残されています。
「北甘楽郡史」は、昭和の初めに発行されました。
「北甘楽郡史」の記述では、「いまは、採掘していないようだ」となっていますので、実際に採掘されなくなっていたのか定かでありませんが、昭和の初めか大正時代あるいは明治時代のある時期において、操業しなくなっていたことがあったのかもしれません。
これは、切り出した砥石を運搬する鉄索です。
写真奥に見える集落まで、砥山から砥石を降ろしました。
操業していた当時(戦後のようす)の写真です。
切り崩した原石やトロッコのレールが見えます。
その奥に坑口が見えます。
この写真が撮られたころには、露天掘りだけでなく坑内掘りもしていたのだろうか・・・、と気になる写真です。
いまの状況です。
柱状節理がよくわかるかと思います。

   【お 願 い】
小坂砥山につきましては、下仁田ジオパークのジオサイトでありません。
ここは私有地ですので、立ち入らないでください。

2 件のコメント:

掛川順子 さんのコメント...

本多さん、おはようございます。この砥石は江戸まで運ばれていたのですか?刀や刃物を研いでいたのでしょうか。

Yuji,Honda さんのコメント...

掛川さん、おはようございます。
ここでの砥石採掘事業が本格化するのは、南牧村砥沢の砥石より新しい時代でのことであるといわれていますが、それ以前にも採掘されていて、南牧の砥石と同様に江戸に運ばれていったかもしれません。
運ばれた先で、刀や包丁などを研ぐのに使われていたでしょうね。
ここも先人のご活躍があってこそ存在する場所であり、すばらしい場所のひとつであると思います。