2013年3月29日金曜日

私の体験的〝化石探し〟講座

        第2回  「どこで化石を探す?」

化石を見つけられる場所(これからは「化石産地」といいます)は、それぞれの地域によって、いろいろと違いはありますが、あまり広い範囲ということはなく、限られた範囲の場所で見つかっていることが多いようです。

化石を探すためには、これまでにどのような場所で、どのような化石が見つかっているか・・・そうした情報を得ることが必要です。

この講座では、群馬県内、とくに富岡や甘楽郡、多野郡、安中方面を中心に述べていきます。

いまは、インターネットで検索して、簡単に調べることができるようになりましたが、〝地方出版物〟から得られる情報がいちばんよいと思います。


群馬県の場合、「群馬のおいたちをたずねて」という本があります。この本では、化石のことだけでなく、群馬県全体のおいたちが理解できますので、化石探しをされる前の情報収集だけでなく、一読しておきたい本のひとつといえるでしょう。


 
「群馬のおいたちをたずねて」や「群馬の地質をめぐって」は、いまのところ絶版になっていますので、古書店等で購入するしかありませんが、群馬県全体のことを知るためには、読んでおきたい本です。
 しかし、いまは「ぐんまの大地-生い立ちをたずねて」(左)が出版されていますので、これをお読みになるだけでもよいと思います。








インターネットの場合、個々の内容について調べたいことを調べるといったことでは、たいへん便利なものですが、全体を知るといったことに関しては、やはり書籍がいちばんではないかと思います。

化石探しをする前に、群馬県全体の地質の全体像を把握することも大切です。

もうひとつ、情報収集で大切なことは、図書館や博物館(各地にある資料館といったものも含む)の活用です。
たとえば、図書館にはたくさんの図書があり、先ほどご紹介した絶版の本も貸し出されていますし、出版されていない調査研究報告書(こうした調査研究報告書のなかには、すばらしいものもありますので、ぜひ見つけてみてください)などもあります。

富岡・甘楽地区では、むかしから団体研究が盛んでしたので、化石に関することはもちろんのこと、地質に関する研究成果がたくさんあり、それらが図書館に収蔵されています。

また、博物館や資料館には、発見された化石が展示、収蔵されていますので、それらを実際に見ることによって、本ではよくわからない大きさや質感を理解することもできます。
博物館の展示物などには、採取した場所が記載してありますので、それをもとに化石産地の情報を得ることができます。

図書館や博物館などは、大いに活用したいものです。

つぎに、こうして得た化石産地の位置は、1/25,000の地図に記載し、化石探しに出向くときの資料にします。

※ 国土地理院発行の1/25,000の地図は、書店で購入することができます。私は、この地図ととも
 に電子マップをあわせて使用しています。
  化石を発見した際には、正しい位置情報が必要になりますので、つねに地図で位置を確認して
 おくことも大事なことです。(私は、GPS機能が内蔵されているデジカメを使用していて、現地での
 1/25,000の地図への記載とあわせて、座標による位置確認を行っています)

これで、化石産地に関する情報を得ることができました。

次回の講座では、化石探しのための用具、服装などについて、お話しをさせていただく予定です。

これから化石探しをするうえで、参考になると思う本を紹介しておきます。


       【第2回のまとめ】

① まずは、本を読んで群馬県全体の地質を把握する。
② つぎに化石産地の位置情報を1/25000の地図にプロットする。
③ 図書館や博物館などを活用する。
④ 次回の講座=用具と服装。

※ ②について、車で化石産地に出向く際には、カーナビにも位置情報をセットしておく、というのもいいかもしれません。

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