2021年3月6日土曜日

西伯利亜出征紀念

 大正十年四月五日

先日、ある調べごとをしていて、富岡市内の神社をめぐっていたとき、ある神社の鳥居近くに立てられている石の灯籠が目に入りました。


西伯利亜出征とは、シベリア出兵として、歴史の教科書に載っているロシア革命に対する干渉戦争のことであろうと気づきました。
シベリア出兵のことについては、ネットで調べることができます。
この石の灯籠には、大正十年四月五日と刻まれています。
シベリア出兵が、1918(大正7)年~1922(大正11)年とのことですので、ふるさとに凱旋した記念として、1921(大正10)年にこの灯籠を寄進したものでしょう。
灯籠には、
 陸軍歩兵大尉
 正七位勲五等功五級
  飯塚國五郎
と寄進した方のお名前が刻まれています。
歴史の教科書のなかのことであったシベリア出兵が、私の身近な場所に関係した方がおられたことを知り、とても驚いてしまいました。
それも今年が2021年ですので、灯籠が立てられた1921年の春といえば、100年前ということになります。
この出会いには、なにか因縁のようなものを感じます。
この神社の御祭礼の日には、この灯籠に灯をともしたことでしょう。
意外なところに近代史におけるひとつの事件の〝痕跡〟が残されていることを〝発見〟し、改めて身近な場所での散策が楽しいことに気づきました。
なお、この灯籠の石材ですが、南牧村の椚地区で採掘されている安山岩(通称「椚石」)ではないかと思われます。
灯籠が立てられて、100年という歳月が経っているわけですが、いまでも青白くきれいになっているのは、地元の方々が清掃していることがいちばんの理由かもしれませんが、椚石がち密な材質であることも大きな理由といえるかもしれません。
ステイホームのなかですが、密をさけての散策-郷土史研究を兼ねての散歩-は、たいへん健康的であり、とても楽しいものだと思います。

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