「安中は当然、登場するのでしょうね」
2013.9.14(土)の午後、安中市文化センターにおいて、「八重の桜」トークショーが開催されました。
中島ノブユキさん(「八重の桜」音楽担当・安中市出身)と内藤慎介さん(「八重の桜」制作統括)のおふたりによる制作にまつわる話しをはじめ、中島さんが作曲した曲を自らピアノで弾いて聴かせていただけるという楽しい時間を過ごさせていただきました。
このトークショーでは、テレビ番組の制作に関して、とても興味深い話をたくさん聞かせていただいたのですが、とくに記憶に残っているのは、内藤さんが話された安中市長からの〝要望〟のことです。
【内藤さんの発言(※)】
大河ドラマで「八重の桜」を、と発表したところ、すぐに安中市長さんが前橋放送局長とドラマ部に来られて、
「新島八重の夫である新島襄にゆかりが深い安中は、大河ドラマ「八重の桜」に当然登場するのでしょうね」
という〝要望〟を安中市長さんからいただいた。
この〝要望〟にどのように応えようかと、ずっと考えてきたが、
10/20(日)に放送予定の第42話において、新島八重・襄夫妻が安中を訪問するシーンを放送する。
また、この放送の終わりのほうで、安中市を紹介する予定になっている。
(※) 細かな表現については、間違いがあるかもしれませんが、発言の要旨としては、間違っていないと思っています。
私は、この話をお聞きして、安中市長の
① 迅速な行動←放送の発表後、すぐに東京のNHKドラマ部に出向いたこと。
② 適切な対応←地元の放送局を通じたこと。
③ 有無を言わせぬ押しの強さ←「当然ですよね」といい、安中を登場させないことは、最初(はな)から考えられないという姿勢。
を、たいへんすばらしいと思いました。
①の迅速な行動ですが、熱意のあるところをアピールするうえで、発表があってから相当の日数を経て、「よろしくお願いします」と出向くより、すぐに出向くほうが大きなインパクトを与えることができるからです。
こうした安中市長の迅速な行動は、ドラマを制作される方々に対して、大きなインパクトを与えたことでしょう。
むろん、一度きりのお願いでなく、安中市長は何度も足を運ばれたかもしれません。
私は、
安中市長の迅速な行動+何度も=熱意の表れ
が、相手の心を動かすもとになっていったと考えました。
NHKの大河ドラマはもちろんのこと、テレビドラマの舞台として全国に紹介されることは、大きな経済効果を発揮するといわれています。
この効果を一時的なもので終わらせるか、効果を持続させるものにできるかは、地元の取り組みしだいといってよいと思いますが、安中の商店街などの取り組みを見たかぎりでは、これからも持続していけるのではないかと、私は思っています。
トークショーがあった土曜日の午前、安中のまちなかを散策したのですが、店先に花が飾られていたり、道路に面した植木類がきれいに手入れされていて、とても心地よい感じになっていますし、
新島襄を支援した湯浅家-有田屋-には、「お醤油さんのミルク醤油ソフト」などもあって、多くの方々でにぎわっていました。
きれいなまちなみ、ちょっとしたお休み場所に珍しい食べ物があって、とても楽しく新島襄ゆかりの場所が散策できるようになっていることは、とてもすばらしいことですし、こうした取り組みが今後も持続できれば、長続きするものになるだろうと、私は考えています。
安中市の場合、爆発的に人々が一時的に押し寄せ、その後はばったり・・・といったことにならないであろうと思っています。
②の地元の放送局を通じたことですが、これもとてもよいことです。
安中市が前橋放送局とともにドラマ部に働きかけることは、NHK全体のこととして取り組む必要があることの確認的な行為になりますし、前橋放送局が中心になって、「八重の桜」をPR-新島襄と安中とのかかわりの紹介-するイベントなどの事業を展開する大きな動機付けにもなります。
視聴率を都道府県別に調査しているのかどうか知りませんが、新島襄ゆかりの安中市を盛り立てることによって、群馬県の「八重の桜」の視聴率が高くなれば、前橋放送局としても鼻高々といったことになるのかもしれません。
放送局に限らず、いろいろな組織が設置している支店や支社を大事にし、支店や支社を通じて、いつも支援や協力を要請していく、という姿勢を持つことが大切です。
③の「当然ですよね」と言って、「八重の桜」に安中を登場させないことは、最初(はな)から考えられないという姿勢は、とてもすばらしいことだと思います。
「安中は当然、登場させてくれますよね」
の言葉の前に、安中市長は、内藤さんに対して、
すでにご存じのことと思いますが、
と前置きしたうえで、
新島襄と八重の関係や新島襄あっての明治期の八重の活躍
を滔々と述べたことでしょう。
こうしたお願いごとのとき、弱気な調子で
「安中を登場させていただけますか」
と言ってはだめなのです。
やはり、自信をもって、相手に有無を言わせぬ押しの強さを発揮する、これがいちばん必要なことなのです。
「八重の桜」の放送をめぐって、安中市長-自治体の首長-の動き、その一端を知ることができ、これからさらにおもしろく大河ドラマが視聴できると思っています。
新島八重・襄夫妻が安中を訪問するシーンが、10/20(日)に放送(第42話)されるとのことです。
10/20(日)に「八重の桜」を視聴されるとき、このエピソードを思い出していただければ幸いです。
私とすれば、新島襄がアメリカで鉱山のことなども学び、理学士になったことをはじめとして、日本に帰国後、すぐに中小坂鉄山に来られたことを紹介してほしいと思っていました。
新島襄と八重のおふたりが安中を訪問するシーンの放送だけでもたいへんなことであったとお聞きし、新島襄が中小坂鉄山を訪れるシーンの放送を通じて、下仁田ジオパークを宣伝していただくことは、とても無理なことだ・・・と実感(!)したトークショーでした。
2013年3月31日日曜日投稿のブログ
ジオサイト-中小坂鉄山 新島襄と中小坂鉄山http://geogunma.blogspot.jp/2013/03/blog-post_3766.html
をご参照ください。
ついでに申し上げますと、新島襄は安中の後閑で、化石採集をされたという記録が残されています。
いつか、新島襄の鉱物コレクションのことや化石採集に関して、このブログで紹介したいと思っています。
ジオサイト-中小坂鉄山 新島襄と中小坂鉄山http://geogunma.blogspot.jp/2013/03/blog-post_3766.html
をご参照ください。
ついでに申し上げますと、新島襄は安中の後閑で、化石採集をされたという記録が残されています。
いつか、新島襄の鉱物コレクションのことや化石採集に関して、このブログで紹介したいと思っています。
安中にお出かけの節は、
下仁田ジオパークにお立ち寄りください。
1 件のコメント:
突然失礼をいたします。同志社大学地学研究会のOBです。
記事を読ませていただきまして、是非取り上げて頂きたい事があります。
現在、同志社大学地学研究会と同志社大学社史資料センターが主催で同志社大学ハリス理化学館で「新島襄が感じた地球」展と「同志社大学地学研究会 地学にみせられた50年の軌跡、そして未来へ」展を行っています。
新島旧邸にあった新島襄が採集した化石鉱物を地学研究会と専門家で初鑑定をいたしました。
新島襄の直筆の化石等を初公開しております。宜しければ、是非記事を取り上げていただきまして、一人でも多くの方にご覧いただきたくご協力をお願い致します。
以下でチラシもご覧いただけます。宜しくお願い致します。
http://harris.doshisha.ac.jp/
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