治水は為政者の最重要課題
今年の梅雨は九州各地をはじめ、全国各地に大雨をもたらし、洪水、土砂崩れなどの大きな被害が発生しました。
わが国の場合、降雨量が多いうえ、急峻な地形が多く、いったん大雨になりますと、川が滝のようになって、濁流が一気に流れ下ります。
江戸から明治時代には、日本中でどこということなく、各地で毎年のように水害が発生し、そのたびに多くの人々が亡くなったり、家屋や農作物などの流失といった被害が生じていました。
群馬県片品村には、治水に功績があったと伝わる中国の「禹王」の力に頼ろうと、明治はじめに立てられた禹王の碑(禹王塔)があります。
禹王の碑(禹王塔)を思い出したのは、きのう(2020.7.24)の読売新聞の記事を読んだからです。
2020.7.24の「政(まつりごと)なび」・「水害との格闘」の
菅官房長官も治水に並々ならぬ思いを注ぐ一人だ。
に続く記事を読み、
菅氏の号令で首相官邸に検討会議が置かれ、主要な全てのダムで事前放流の仕組みを整えた。
のところで、今年の5月に発表された事前放流の仕掛人が、菅官房長官であることを初めて知り、
治水といえば、群馬県内には珍しい禹王の碑(禹王塔)があったな・・・
と、書棚から「川の碑」を引っ張り出してみました。
この本には、全国の川に関する石碑(石碑だけでなく神社や史跡なども含まれています)が掲載されていて、その多くが災害復旧記念や慰霊に関する碑です。利根川水系には、つぎの地図にあるとおり、たくさんの石碑、記念碑、神社、史跡などがあります。
このなかには、舟運が盛んであったころの船着き場も含まれていて、川が生活に欠かせないものであったこともよくわかります。
有名な信玄堤も紹介されています。
2020.7.24の「政(まつりごと)なび」・「水害との格闘」の記事に関連して、政治に携わる皆さんには、
〇 これからの時代、大きな自然災害はますます多くなっていくといわれていることをふまえ、
〇 財政負担を大きくせず、今後も既存のダムをうまく生かし、堤防の補強などを講じ、
〇 洪水を未然に防いで、
国民が安心して暮らせる日本にしていただきたいと思います。
そして、私たちは梅雨が明けて川の水が引いたころ、身近な川に出かけて、水神様をはじめ川に関する碑や史跡めぐりをして、先人が川とどのようにつきあってきたかを考え、これからの私たちの暮らし方-自然災害への対応を中心にして-をよく考えてみるのはどうでしょうか。
※ 読売新聞の記事以外は、『川の碑』(山海堂)から引用させていただきました。
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